Where is a place for us?

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展覧会「居場所はどこにある?」展示風景記録

2021年6月1日-20日
写真 = 堀蓮太郎
映像作品スチル = 作家提供

フルスクリーンで表示

中谷優希《Scape Goat》2018

ラファエル前派の画家ウィリアム・ホルマン・ハントによる絵画《スケープゴート》(1854-1855)を参照。人々の罪を負って荒野に放たれた山羊と自身の身体を重ねつつも、生贄のもつ偶像的イメージを破壊して新たな意味を獲得するかのように、歩き続ける姿を表現する。

リー・ムユン《山を背負う子たち》2020
The Child Who Has a Mountain on the Shoulder

突然世界を襲ったコロナ禍において、故郷を離れて外国で暮らす友人たちの体験を追った記録。隔離、差別、結婚など、各人に起こったできごとを通して、集団ではなく一人一人の個人の物語が浮かびあがる。

UGO《°・:.。 ..。 .:・ ゚ょぅこそUGOアーカイブ:;;;:》2021
Welcome to the UGO Archives

映像アーカイブ、ドキュメント資料などを、普段のUGOのスペースを再現したインスタレーション。映像にはこれまで開催したフリーマーケットや各種トーク、パフォーマンスや成人式などのさまざまなイベントや、日常の様子が記録されている。
展示レーザー協力:MES

岡田裕子《翳りゆく部屋》2009
Dusky Room

ゴミ屋敷に住む老女は、ゴミを撤去しようとする役所の職員に「全部大事なものだ」と拒絶し続ける。高齢化社会の介護や住居の問題とともに、人にとって大事なものは何かという根源的な問いに迫る。

松田修《奴隷の椅子》2020
The Slave Chair

女性が語る波乱万丈のストーリーからは、格差や貧困、機会の不平等などの社会の現実が見えてくる。新型コロナウイルスの蔓延は脆弱なコミュニティに追い討ちをかけた。しかし松田が「スラム魂」と呼ぶスピリットはどこまでも明るくたくましい。

磯村暖《How to Dance Forever(Dance Lesson #1 VOGUEING)》2019

男女に二分されない「Two-Spirit」と呼ばれるアメリカ先住民族の話や、ニューヨークのエスニックマイノリティによるクィアカルチャーから生まれたヴォーギングなど、クィアの歴史と文化のイメージがSNSの情報のように交錯する映像インスタレーション。

岡田裕子《A Sketch of Dusky Room》2021

岡田が年老いた両親の家を片づけて出たゴミの画像にスケッチを重ねている。《翳りゆく部屋》から12年、老いの問題は目の前の現実である。

小林勇輝《New Gender Bending Strawberry》2012-

アメリカやイギリスで暮らしていた時、周囲の視線を通して「日本出身のアジア人男性」としての自身の存在を強く意識した小林。その不自由さから新たなアイデンティティーを探す試みとして、人種や性の規範を超える(ジェンダー・ベンディング)未来的なキャラクター(NGBS)を創造した。

竹村京&鬼頭健吾《Playing Field 00》《Playing Field 004》《Playing Field 005》《Playing Field 006》2020

夫婦である竹村と鬼頭はこれまでアーティストとして別々に活動してきた。コロナ禍の2020年に、遊びの要素を入れながら初めてコラボレーションを行う。《Playing Field 00》では、鬼頭の平面作品と竹村の「修復シリーズ」が棚の上に組み合わされている。壁に展示された《Playing Field 004-006》では竹村の写真や布に鬼頭がペイントをスプレーし、ラメをほどこす。竹村の静謐なイメージと鬼頭の派手さから生まれる効果が新鮮である。

室井悠輔《王国をつくりなさい》2018-
You Should Make a Kingdom

「王国をつくりなさい」という夢のお告げを受けて室井が始めたこのシリーズは、妄想世界の理想郷であり作家にとっての居場所である。捨てられる運命にあったモノたちにとってもまた新たな居場所といえるだろう。

MOM+I《FAMILY MOVE》2021

エリンはみどりと結婚し3人の息子を持つ。自分の性に違和感をもち、結婚から17年後に母国アメリカで性別を変える。みどりと婦婦であり続けたいと望むが、日本では同性婚が法的に認められない。一方、エリンの新しいパートナーであるエリスはコロナ禍で日本に入国できない。家族とは何かを模索するエリンたちは、引っ越しを手伝う「1日家族」を募集し、参加者は家族についての思いをドローイングや文章に綴った。その作品と映像、ZINE(冊子)を通して動き続ける家族の形を見せる。

2021年6月6日 小林勇輝パフォーマンス